●デーツとは
ナツメヤシの果実のことを英語でdates「デーツ」といいます。また、アラビア語では「タマル」、ウルドゥ語では「カジュール」といいます。果実がナツメに似ていることからそう呼ばれています。  ナツメヤシ(棗椰子、学名:Phoenix dactylifera)は非常に古くから栽培されているヤシ科の常緑高木で、ヤシには様々な種類がありますが、砂漠のオアシスに生えている木と思っていただければ容易に想像がつくかと思います。 ビタミンやミネラルが豊富に含まれていて、北アフリカや中東では重要な食品として生活にかかせないものとなっています。 現在では、中近東諸国の中でも、イラン、エジプト、サウジアラビア、オマーン、パキスタン、北アフリカなどで生産され、世界中へ輸出されています。 また、アメリカやヨーロッパ、アジアなど、美容と健康によい食品として世界的に親しまれている果実です。 デーツは、イスラム教の聖典コーランに「神の与えた食物」、旧約聖書には「エデンの園の果実」と記載されており、ハムラビ法典に記載されている果実もデーツであると言われています。紀元前数千年も前から灼熱の地域で暮らす人々の健康を支えてきました。
●食味
 品種や産地などによっても異なりますが、未熟なものは林檎のようにサクッとした歯ざわりでほのかに甘く、 熟すと果肉は軟らかく甘味が強い独特のトロッとした食感になります。 乾燥させてドライフルーツにしたものは、非常に甘く、ねっとりとした食感で、よく干し柿や餡子にたとえられます。
●栄養価
デーツは砂漠の過酷な条件で育成します。その生命力の強さから「生命の木」と呼ばれ、栄養価の高い果物です。 鉄分、カルシウム、カリウム、リンなどのミネラルが豊富に含まれており、鉄分はほうれん草に匹敵、カリウムはバナナの1.5倍でかぼちゃやほうれん草を上回ります。 またマグネシウムと食物繊維が豊富に含まれ、その含有量は果実の中でもトップクラスです。

他の食材との比較(100g当たり)
エネルギー(kcal)たんぱく質(g)脂質(g)炭水化物(g)灰分(g)ナトリウム(mg)カリウム(mg)カルシウム(mg)マグネシウム(mg)リン(mg)鉄分(mg)亜鉛(mg)βカロテン(mcg)ビタミンB1(mg)ビタミンB2(mg)ビタミンC(mg)ナイアシン(mg)葉酸(mcg)食物繊維(g)
デーツ2662.20.271.31.505507160580.80.41600.070.0401.8197
プルーン2352.50.262.41.6148039404510.511000.070.0702.237.2
レーズン3012.70.280.71.9127406531902.30.3110.120.0300.694.1
いちじく29240.676.12.4984013062761.40.6310.050.05011110.9
ほうれん草252.60.541.2104906940430.90.754000.050.11190.31103.6
バナナ861.10.222.50.80360632270.30.2420.050.04160.7261.1
牛乳673.33.84.80.741150110109300.460.040.1510.150
出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)『デーツのおはなし』
(元データ:『五訂増補 日本食品標準成分表』より)
●利用
昨今の健康志向で美味しく体によいデーツがドライフルーツとして果実そのままで食べられていますが、 加工食品として、ジャム、ジュースや菓子、身近なところではお好み焼きソースやカレーなどの甘味とコクをつけるために用いられていたり、 以前から広く私たちの食生活に溶け込んでいます。 その他、米や麦など穀物以外で唯一焼酎の原料として、お砂糖の代用品として、お酢の原料としも利用されています。

古くから中東では、砂漠を移動するキャラバンで、何日もデーツとラクダの乳で飢えをしのぎ、旅を続けていました。 また、イランでは、妊娠中の女性が毎日2~3個のデーツを食べると、生まれてくる子が丈夫に育つと言われています。 ラマダン(断食月)明けには栄養補給としてジュースにして飲まれます。
ドライフルーツにしたデーツは自然の甘みがギュッと凝縮されています。この糖分の7割はブドウ糖と果糖からできています。 デンプンやショ糖と異なりブドウ糖や果糖は素早くエネルギーとして利用されることから、朝デーツは最近注目されています。
また、脳はブドウ糖しかエネルギー源にできないため受験生にもおススメです。 デーツを材料にしたパンやお菓子はお子様からお年寄りまで広く支持されています。
●歴史
古代メソポタミア文明・ウルの遺跡(紀元前4500年代~紀元前400年代)からは、ナツメヤシの種が出土しています。

アッシリアの王宮建築の石材には、ナツメヤシを栽培している場面のレリーフがあり、メソポタミアや古代エジプトでは、紀元前6000年代から栽培されていたと考えられています。
ナツメヤシは、ギルガメッシュ叙事詩やクルアーンに頻繁に登場し、聖書の「生命の樹」のモデルはナツメヤシであると言われています。
クルアーン第19章には、聖母マリアがナツメヤシの木の下でイエスを産み落としたという記述があります。
アラブ人の伝承では大天使ガブリエルが楽園でアダムに「汝と同じ物質より創造されたこの木の実を食べよ」と教えたとされています。
またムスリムの間では、ナツメヤシの実は預言者ムハンマドが好んだ食べ物の一つであると広く信じられています。
●栽培、収穫
デーツの2004年の全世界での生産量は670万トンに達し、主な生産国はエジプト(16.2%)、イラン(13%)、サウジアラビア(12.3%)などがあります。

ナツメヤシは自然界では風によって受粉が行われますが、 近代的な商業園芸では完全に人間が授粉を行っていて、 1本の雄株から100本の雌株に授粉可能で、より多くの果実を生産できるようになっています。サウジアラビアの首都リヤドから、砂漠のハイウエイを120分走った先にあるアルガード村のデーツ農園では、朝6時にデーツの収穫が始まります。昼間の気温が50度を超すこの地域での農作業は、朝の間に行われます。デーツの樹高は7~8メートルで、最も良質の実がなるのは、挿し木から60年の還暦を迎えた木です。そこからおよそ15000個、重さにして150kgのデーツが収穫されます。
無農薬栽培のデーツ農園で最も注意を払うのが害虫予防で、“恵みの果実”を守るために、デーツの房ひとつひとつに大きなネットがかぶせてあります。
●サイズと種類

直径2-3cm、長さ3-7cmの楕円球型をしている。実が熟するまで少なくとも6ヶ月を要します。
色は品種にもよるが明るい赤から黄色で、長さ2-2.5cm、厚さ6-8mmの種子がひとつだけ入っており、干すと濃褐色になる。
品種は400種類以上あるとも言われています。 アラビア語ではタマルなど熟度に応じて18にも達する名称で分けられています。
●デーツの楽しみ方

・そのまま、おやつとして ・朝食とあわせて栄養補給に毎朝2~3個
・牛乳と一緒に
・小さく刻んでヨーグルトやアイスクリームと混ぜて
・パンやケーキを焼くときのトッピングとして
・ローフード(Raw Food)のロースイーツの材料として
・リビングフード(Living Food)の調理のアクセントに
・マクロビオティック(Macrobiotic)を実践されている方に
・ヴィーガン(Vegan)や、ベジタリアン(Vegetarian)料理の材料に
・ロハス(LOHAS)な暮らしをされている方に
・妊娠中や授乳期の栄養補給に
・スポーツ前のスタミナ補給に
・登山の際の非常食、保存食に
・ダイエット中の栄養補給に

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